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認知症の疑いがある場合の運転は危険

運転をやめさせる工夫

認知症は高齢者にとって非常に深刻な症状です。

脳に何らかの病状が出ることによって起こる認知症は記憶障害という症状に始まり、そこから知的能力や判断力がどんどん落ちていってしまうことになります。
介護の現場でも認知症患者にはかなり苦労をするところですが、問題なのは認知症はその病気になっている本人にその自覚がないということです。

もっと面倒なのは、本人にうっすらとその自覚があるため、そのことを周囲に隠そうとしてしまう点でしょう。
物忘れを悟られたくないために嘘をついたり、つじつまの合わない行動をしたりといったことをするようになります。
自動車の運転についてもそうした取り繕いの対象になりやすく、「認知症の疑いを掛けられたら運転させてもらえなくなる」と考えて、わざと車を乗り回すというような高齢者もいます。

しかし、認知症の主な症状は物忘れや判断力など周辺の認知機能が総合的に低下することなので、自動車を運転するにあたり、それらがなくなることは致命的です。
しばしば高速道路を逆走したり、アクセルとブレーキを踏み間違えてお店や他の車両に突っ込む高齢者の事故が報道されますが、それなどまさに認知機能がなくなったために起こる事故と言えます。

高齢者に危険な運転をさせないためには、まず認知症の検診を早めに受けさせるようにするとともに、自動車の運転ができなくなることによるデメリットを軽減させてあげることが大切になるでしょう。

免許返納できない事例

近年では高齢者の危険運転が問題視されるようになってきたことにより、自主的に運転免許証を返納してもらうという動きも全国的に広がっています。
ですが認知症かもしれないと分かっていつつも運転免許証を返納できないという高齢者もいるのが実態です。

返納ができない事情としては、自営業など高齢になってからも仕事を続けていて、その移動手段として自動車が必要であることや、地方都市で自動車がないと生活をすることができなくなるケースがあります。

また、現在では運転免許証が身分証明書として使用されていることから、免許を手放すことができないという事情もあるでしょう。
現在では免許を返納した人に対しては「運転経歴証明書」という別の身分証明書の発行を依頼することができるので、そちらを引き続き身分証明書に使用することも可能です。

認知症であるかどうかに関わらず、高齢者の運転は視力や動体視力、反射神経などがかなり低くなっているので、自動車の運転は危険です。
本人が自動車の運転に固執をしているという場合には、まず自動車がなくても生活ができる環境を周囲で提案をしてあげるとともに、運転の危険性についてよく話し合いをしていくようにしましょう。